居場所をください。




「おつかれ。」


「ありがと。」


鬼が怒ってどこかへいったから

私はまだいてくれた貴也の元へと

引き寄せられた。


ここには優しい顔した貴也と佐藤さんがいて

なんだか空気が柔らかくて。


「あ、佐藤さん!30日10時から撮影でしょ?

ピアノとのセッション14時からにしてー。」


「もうすでに相手の子には連絡済。

ただ18時には長曽我部さん到着予定だし

17時までが限界かな。いい?」


「うん、いいよ!

……ところで私のご飯は?」


二人はもうすでに佐藤さんが発注した

お弁当をここで食べている。

なのに、私の分がない。


「長曽我部さんが持ってくるよ。

ちょっと待ってて。」


「えー、めっちゃ怒ってたよー。」


「そりゃあれだけミスすればね。

でもいつもの練習ではできてるんだから

いつもできてなんで今できないんだ

ってことで怒ってるだけだし。

大丈夫だよ。

長曽我部さんより瞬だよ、問題は。

あっちのが怒ってるよ。」


……確かに。

さっきめちゃめちゃ顔が怖かった。

俺の時間を返せとでも言いたそうな顔だった。

まぁ…あんだけ練習付き合わせたしね……


「貴也は飯食ったら帰れよ。

明日はお前も朝から仕事だし

美鈴ちゃんは今日も帰る予定はないから

貴也はさっさと帰って寝ろ。」


あれ、私は今日も帰れないのか。

……まぁ、あんだけミスしてたら

たぶんもう一回通すだろうし

予定より遅くなるかな…