「よっしゃ、踊るぞ!」
「美鈴ちゃーん。
長曽我部さんから。」
気合いを入れてたつと
ハルが私の靴を持ってこちらへ来た。
「うはー、高。
しかもピンヒール。
今までで一番過酷だよー。」
「ん。」
「ありがと。」
いつもいつも私のサポート役はハル。
今日もハルの肩をガッツリと掴み、
靴を履き替えた。
「おもっ!」
「うるさいわ。」
ちゃんとパンプスのベルトもしめて
とりあえずジャンプ。
「…うん、踊れそう。」
このジャンプで失敗したら
なんか踊れなさそうだけど
これで着地がうまくいくと
今日もばっちり踊れる気がするから。
「…1つ言っていい?」
「なに?」
「今から俺、美鈴ちゃんの相手役やるじゃん?
すげーやりにくいんだけど。
なんかすでに睨まれてる気がする。」
「あー…」
私はハルの腕を引っ張り
ちょっとユリ姉から離れた。
「ほら、前にハルが
私を抱き締めたことあったでしょ?
あれ貴也見てたんだって。」
「え!うそ!」
「ということで、ハルは嫌われてます。」
と、思わず笑ってしまった。
なんかすごい前の日のようだよ。
「でもそんなの気にしてたら
貴也変な勘違いするよ?
仕事は仕事!切り替えてよね。
あの人、人の表情から気持ち読み取るの
気持ち悪いくらい得意だから。職業柄ね。
ハルもさっさと切り替えてよね。」
「ほら、さっさと踊れよ。」
瞬なんかもう完全に仕事モードで
カメラもセットしてこちらを睨んでいる。
ダンスのときはこの人が一番怖いわ。


