「……にしても今休憩だろ?
休憩中も仕事してんのかよ。」
貴也はとなりに座ったまま
そんなことを言い出した。
「長曽我部さんがいると
いっつも仕事の話だよ。」
こんなことはまったく珍しくない。
長曽我部さんはいつも仕事モードだ。
これもあと少しだと思うと
寂しくて仕方ないけどね。
「そういや来年のツアーは決まってんの?」
「決まってますとも。
次のアルバムの歌詞だって
ツアーのことも考えながら書いたし。
まぁまだ動き始めで
私のところには全然話降りてきてないけどね。」
ダンサーとかバンドさんには
もう話いってるのかな。
「貴也こそ、舞台決まってる?」
「あー、4月から回るな。」
「一緒じゃん。」
何ヵ月も先のことなのに
次から次へと仕事が決まっていく。
本当に終わりというものは
この世界にはないんだな。
「そろそろ休憩終わるだろ。
美鈴、体ほぐしておけよ。」
「はいはい、準備体操しておきます。
貴也は?まだいる?」
「いるつもり。」
「よし、じゃあ見ててね!」
お茶を一口のんで
私はユリ姉のところまでいき
また柔軟体操から始めた。


