居場所をください。




「なんか…来年からは瞬外そうかな」


いつもの席に崩れるように座って

またこの小さなテーブルに

長曽我部さんとパソコンを並べた。


「は?え、瞬のなにが不満なんだよ。」


「だってさ、瞬は小さな子供がいて

二人目も生まれてくるんだよ?

今回みたいに夜中まで仕事なんて

絶対まだ出てくるだろうしさ。

…夜中までお父さんが帰ってこないのは

絶対寂しいよ。

それだけじゃない。

ツアーとなると土日はいつもライブ。

3ヶ月間、週末は出掛けられない。

なんか子供たちが可哀想で。」


「…でもそれは瞬がダンサーなんだから

仕方ないんじゃないか?

それにそんなこと、この世界だけじゃなくて

どんな仕事してたって可能性はある。


そんなことで手放していい存在じゃないだろ。

瞬がいなくなったら誰が振り付けを考えて

誰がダンサーに指導して

誰が美鈴を指導するんだよ。

20代であそこまでできるやつはなかなかいない。

ハルみたいに踊れるやつはいてもな。


そう考えるのは仕方ないことだけど

それで手放そうなんて考えんなよ。

そう思ったなら、やり方は他にもあるだろ。」


「たとえば?」


「それは自分で考えろ。」


……なんだよ、冷たいな。


「……っていうか私のご飯は?

ケータリングでいいの?」


「あ、美鈴のはもうすぐ届くから。」


なんだよー、まだかよー。遅いなー。

お腹ペコペコなんだけど……