高橋の部屋を出ればすぐにリビングな
この家の間取りはなかなかだ。
ここを通らないと外には出られないなんて
絶対抜け出せないね。
「お邪魔しました。」
「え!?帰っちゃうの!?
ご飯も食べていけばいいのに~。」
「ごめんなさい、仕事で…
またお邪魔させてください。」
「うん!いつでも来てね!」
「お邪魔しました。
失礼します。」
……元気なお母さんだな。
さすが高橋を産んだ人だ。
お父さんは真面目な人だから
最初はびっくりしたけど、納得。
「おう、お疲れ。」
「うん。」
高橋の家を出れば
すぐ前に長曽我部さんが車を止めて
外にたっていた。
「どうだった?吉田夏音は。」
「会えなかったよ。」
私はそれだけいって
開けてもらった後部座席に乗り込んだ。
「でもね、話は聞いてきたよ。」
続いて運転席に乗った長曽我部さんに
私は続きを話した。
夏音の家でのことを、すべて。
「私はずっと闇の中で育ってきた。
そんな私を連れ出したのは長曽我部さんだった。
私の"ヒカリ"は長曽我部さんだった。
だから、私は夏音の"ヒカリ"になりたい。」
誰のことも信用できなかった私に
「友達になりたい」と言った夏音。
いつだって私のそばにいた夏音。
夏音に救われたのだって、事実なんだ。
「夏音のためじゃない。
……私は、私のためにできることをしたい。
それがたとえ夏音のためになったのなら
夏音がまたその思いを誰かに伝えてくれれば
私はそれでいいから。」
私は長曽我部さんにたくさんのことを教わった。
たくさんの愛に包んでもらった。
だから今度は私の番だよ。
「……いいんじゃね?」


