「でも俺、その日
バイトに来いとか言ってたじゃん。
見れんの?」
「見れるんじゃない?
私の楽屋は無理だけど
どこかしらにテレビあるし
ライブの様子が見れるモニターもあるし
立ち見でいいならスタッフ腕章で中も入れるし。
ツアーはスタッフTシャツだったんだけど
冬は寒いから腕章になったんだよー。
あれは私と会ってもOKの人しか
つけられないものだから
どこでも出入りOKだよ、基本。
まぁ長曽我部さんに事前に言っといてもいいし
勝手にしといてよ。」
「なんか雑だな。」
「私も忙しいんでね。」
「まぁじゃあ会場で見るわ。」
「うん、お願いしまーす。
ところで彼女と会わないの?年末。」
「あー、なんか親の親戚の家に行くんだと。
バイトするって話したら全然平気そうだったし。」
「へー、残念だね。」
「うっせ!」
……やっぱ、友達っていいなぁ。
高橋といると楽で楽で
さっきまで気分が重かったはずなのに
今では楽しい気分だよ。
笑わないって楽だ。
「そういや高橋はどこの大学行くわけ?
学部は?」
「教育学部。」
「え!まじで?先生になるの?」
「まあな。
学部とか決めてなかったんだけど
担任に、教師もいいんだぞ!とか言われて
流されてまぁ教師もいいのかも、とな。」
「へー、でも公立なら公務員だし安定だね。
高橋なら子供にも負けなさそうだし。
で、なんの先生になるの?」
「高校英語の予定。担任に流されて。」
「へー、高校か。」
高橋が先生かぁ。似合わないなー。
でも高橋が先生だったら楽しそうでいいね。
頭悪いけど。


