居場所をください。




「気づけなかった俺らにも落ち度はあります。」


「瑠樹くん…」


「高橋…」


「高校生になり、俺ら子供は

親といる時間よりも学校で過ごす時間の方が

もっと長くなりました。

……もちろん、寝てる時間は別ですけど…

起きているとき、言葉を交わす数

目を会わせる時間は親より俺ら同級生の方が

きっと多いと思うんです。

高校入学してすぐ友達になった美鈴や

夏から交際を始めた俺が

夏音にとって、一番近い存在たったはずです。

……いや、覚醒剤を使用開始した時期からすれば

俺が一番夏音と時間を共にしたと思います。

……それなのに、俺は気づけなかった。

美鈴がいなくなってしばらくして

少しおかしいなと思う言動もあったんです。

美鈴も何回かそれを感じてるはずです。

自分の知っている夏音じゃないと

俺らは一回は感じているんです。

……それなのに、俺らは気づけなかった。」


高橋のその言葉に、

私は夏音との思い出を振り返った。


……突然強気になった夏音に

突然怒り出した夏音

高橋をそんなに好きではなかったといった夏音

…後半の思い出は

どれもこれもが散らかった出来事だった。

夏音らしくなくて

どれもこれもがちょっとおかしくて

……でも、それが夏音の本音なんだって

どこがで全てを

受け入れてしまっていたのかもしれない。


夏音を信じていたから

疑うことなんか出来なかったんだ。