居場所をください。




「でも、その時間に局は行けません。

辞退するしかないと思います。」


なんて佐藤さんは言うけど


「いいじゃん、出ようよ。生放送。」


せっかく声をかけていただいたんだから

一度くらい、ちゃんと受けとりたいよ。


「でもライブは…」


「局に行かなくたってテレビは出れるでしょ。

中継だよ、中継。ライブ中に。」


「……あー、なるほど…」


「お前な、ただでさえ人手不足なのに

会場作ったあとに局のカメラをいれて

設置するなんてかなり無理あるぞ。

しかも中継したとしても、時間的に

ライブ始まってまだ30分だぞ?

せっかく決めてきた演出がパーになる上

また組み直さなきゃならない。

時間が足りないだろ。」


「なんとかなるよ。」


「気合いだけじゃ

どうにかならない問題もあるんだよ。

今年は諦めろ。また来年あるだろ。」


「やだ。今年がいいの。

…どうしても。ね、お願い。」


いただける賞は、

なるべく長曽我部さんがいるうちに。

一緒に頑張ってきてくれた

長曽我部さんと一緒に

その賞を受けとりたいから。


「やりましょう、長曽我部さん。

みんなでやれば、なんとかなりますよ。」


「佐藤さん…」


「ね、美鈴ちゃんが一番大変になるけど

覚悟の上でしょ?」


「……うん!

また構成組み直すし!ね、お願い。」


「……わかったよ、しかたねーな。

じゃあ佐藤は局に返事をして

人材補給を頼むわ。

美鈴はすぐに構成編集。

クリスマスはない覚悟でやれよ。」


「……えぇ!?うそ!」


「当たり前だろ。

それでも間に合うかわかんねーっつーのに。」


「……はい、わかりました。」


でも、きっといつか

あんな日もあったねって

みんなで笑える日が来るんだよね。