居場所をください。




「あ、あの!」


「ん?

……あー、新しい子。

なにかな。」


っていうか、名前は何て言うんだろう。

まずそこからだよ。

自己紹介とかないのか?

……まぁ、いいけどさ。


「あ…握手…してもらえますか?」


「握手か……

……ごめんね、できないよ。

私はここに仕事しに来てる訳じゃないから。

ここは私の実家だから。

もし街中で見かけたら

その時はいつでも声かけてね。

ここでは、前の私の戻りたいんだ。

だから、応援してくれるのは嬉しいんだけど

その……ずっと見られたりするのはちょっと…

ごめんね。」


じゃあ…と靴を履こうとすると


「好きなんです!」


と大きな声がまた聞こえた。


「ありがと。その気持ちは

本当に嬉しいよ。」


「そうじゃないんです!

本当に、一人の女性として

本気で好きなんです。」


……えー、と…

それはつまり……


「…恋愛対象ってこと?」


「はい。」


「それじゃごめんね。

知ってると思うけど私彼氏いるから。」


「本当に付き合ってるんですか?」


「え?」


「わざとらしいんです、あなたたち。

毎日ブログに写真のせたり

一緒にテレビ出たりとか

ビジネスカップルにしか見えないんです。」


「…ビジネスカップル…

そんなことな「んなわけあるか。」


……へ?