━━━━━━━━━━━━━━・・・・
「ねぇ、ママ」
ママは、私の洗った食器を
拭いてすぐに棚にしまっていた。
「なに?」
「…ここさ、人増えたよね。
私が子供の頃は和也と美優ちゃんと
栞奈しかいなかったのに。」
「そうねー。
余裕だと思ってたのに
いつの間にか満室だしね。
それだけ、命を軽視する人が
増えたのよ。悲しいことに。」
「……そっか、そういうことか。」
「それにさ、ママは児童相談所で
保護された身だからさ
……あんまいい思い出ないんだよね。
だから、児童相談所で保護される前に
保護したいって思いも強いから
なんかどんどん増えちゃって。」
「……ママはすごいね。」
「そんなことないよ。
生活もきつきつだしね。」
「あのさ、ママ
ここ、建て替えるって本当?」
「え?
それ、誰から…」
「藍子。前にね、優輝寝かせるために
ママの部屋入ったら見ちゃったんだって。
見積もりとか…」
「そっか。
んー、まぁそうだね。
だって無理あるでしょ?
お風呂もトイレも足りないし
靴も入りきらないしさ。
人数に対して狭くって。」
「でもさ、そういうのって
自治体が決めることじゃなかったの?
ママが決めていいの?」
それだけが引っ掛かってた。
ここは税金によって成り立っている。
だから、必要以上のお金は
かけられないことになってたはずなのに…


