居場所をください。




「……なぁ、前にさ

美鈴のグッズでスマホカバーあったじゃん。

あれってまたあんの?」


「あるよ。見る?」


「え、今あんの?」


「現物はさすがにないけど写真なら。」


えーと…

……あーここ。


「ん、これ。」


私はグッズのページを開き

ファイルを貴也に渡した。


「初の実写~。

次のライブは天使の梯子がテーマだから

私が天使になったの。

カメラマンとCGをフル活用してね。」


ふわっふわの天使の羽が

私の背中から生えてる。

白のワンピースに、CGでライトをフル活用。

想像の中の本物の天使を作り上げたんだ。


「……これってさ、

金払えば並ばなくても買えたりすんの?」


「え、使うの?貴也が?」


「……悪い?」


「ううん!全然!

そんなんでよければサンプルあげるよ?

チケットはダメでも、グッズならね。

明日持ってくるよ!」


「サンキュ。」


貴也が使うんだって。

私の実写なのに。


どんだけ私の事が好きなんだ。


「……ふふ、よし

今日は仕事終わりー!」


「な、なんだよ…」


ファイルを閉じて

貴也にダイブをした。

これは本当にダイブ。

抱きつく、ではなくて。絶対に。