居場所をください。




そしてその夜

お風呂も済ませた私たちは

ソファに座って、私はライブについて考えつつ

ファイルを見ながら

台本を読む貴也を見ていた。


「……なに?」


「それ、今とってるやつ?」


「そうだけど。」


"偽物彼女"か。

タイトル見ただけで大体内容わかるよ。

どうせ、偽って付き合ってた彼女を

最後好きになっちゃうパターンでしょ。

どうせ女の方は

最初からその男が好きなんでしょ?

パターン化してるよ、本当。


「……ふーん、そっか。」


ま、気にしても仕方ないしな。

私だって矢島くんとも隼也とも

キスしてきたわけだし……


……でも、自分の彼氏が

違う女とキスするなんて

見たくはないな、やっぱり。


「……えーと…これはここから登場で…」


……仕事でもして気を紛らさないと

嫉妬してまた八つ当たりしちゃいそうだから。


「あ、そういや明日俺昼に生放送出るんだよ。

完全バラエティのトーク番組だけど。」


「え、そんなのあったっけ?」


「あ、ネット配信。」


「へー、そういうのあるんだ。

でもなんで?番宣?」


「舞台がもうすぐ最終公演だから。

13時からだから、まー暇なら見て。」


「うん、わかった。」


詳しくは佐藤さんにでも聞こっと。