居場所をください。




「…結局、ラブラブなのが

すごーくよくわかりました。」


と、私が言うと


「まぁ美鈴ちゃんと松野くんには

負けるけどね。」


と言われてしまった。


「私たちはそんなデレデレしてませんけど。」


「…………どこが?」


いや、どんだけ呆れた顔して

どんだけ呆れた声出してんのさ。

私たちはそんなデレデレしてないよ。

そんな甘い声出さないもん、私。


「まぁ美鈴ちゃんも貴也も

全然自覚ないからな~」


と佐藤さんまで。


「言い合いの方が多いですけど。」


「ただのジャレ合いでしょ?」


い、いやいや…

ジャレてないからね。

だいぶ噛みついてくるよ、あやつは。

………私もだけど。


「まぁどっちでもいいけど。

はい、レッスン場ついたよ。

16時半までね。17時からレコ開始だから

終わったらすぐ降りてきてね。」


「はーい。

佐藤さんも咲さんとデートして

遅れたりしないでね。」


とちょっと嫌味を言って

私は車を降りた。


甘い空気に耐えられない。

ラブラブだ、あの二人は。