居場所をください。




~♪~♪~♪


………ん?私かぁ。


"着信 佐藤さん"


えー…もう?

まだ2時じゃーん…


「……はい。」


『なんか機嫌悪い声してるね。

一高前についたよー。』


「せっかく楽しい時間なのに~。」


『美鈴ちゃんが決めたことでしょ。

早くしないと俺帰っちゃうよ?』


「はーい…じゃあいきます。」


仕方ない、帰るか…

楽しい時間ってなんであっという間に

過ぎちゃうんだろうね。


「咲さん、お迎え来たみたいなんで

行きましょう。」


「え、もう?」


「ほんとですよ。

まぁ仕方ないんですけどね。


じゃーみんな。

私と咲さんはもう帰ります。」


最後までいたかったのにな。


「送るわ。

芸能人二人で歩いてたら囲まれるだろ。」


「ほんっと、高橋って

見かけによらず優しいよね。」


「余計なこと言ってんな。

行くぞ。」


…こうやって

制服を着た高橋と朔也と

この歩くのもこれで最後かぁ…


なんか、あんなに嫌いだったのに

ここもやっぱり私の思い出の場所だから

もう来ないかもしれないって思うと

ちょっと寂しく感じるよ。