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「ん、じゃあ美鈴には
端数をやろう。」
………321円。
まぁ、いいんだけどさ。
「ありがとう。」
けっこうコキ使っておいて
私への渡し分が少ないな。
いいんだけどさ。
「よし、回るか~!
美鈴、行くぞ。」
「ちょ待てよ!」
高橋は私をこの倉庫から連れ出して
その後ろを朔也も追ってきた。
「俺をおいてくな!」
「おせーんだよ。」
「そーだそーだ。」
「はぁ!?」
………楽しい。
すっごい楽しい。
きっと、昔が毎日こんなんだったら
私は歌手にはならなかったんだろうな…
「…あ!ちょ、待った!」
「なんだよ」
倉庫を出てすぐ、私のスマホが鳴った。
"着信 栗山咲"の名前を見て
私はすぐに電話に出た。
『あ、美鈴ちゃん?ついたよー。
校門のところにいるんだけど…』
「じゃあすぐいきます!
すくそこなんで、待っててください!」
校門なんてすぐそこじゃん。
なんなら叫べば声聞こえるね、絶対。
「ちょい校門行くよー」


