居場所をください。




とりあえず私は体育館裏の細い通路を通り

中庭へと向かった。

グラウンド歩くとバレバレだろうし。


えーと、亜樹たちは…あ、いたいた。

のんきにジュース飲んでる場合?


「よっ。」


ちょっと男っぽく

3人の座っていたテーブルへ

私も座ってみた。


「は?誰。」


おー、気づかれないもんだね。


「美鈴。」


「え!?」


「シーっ!

どう?完成度高い?」


「…や、よく見ると美鈴ちゃんだ。

やー、でもめっちゃイケメン!」


「はは、それはよかった。」


とりあえず私はこの男装姿を自撮りし


「じゃ、私は高橋のところにいってくるね。」


と、先に立ち上がった。


たった一人、立ってる高橋のもとへと

歩き出した。


…なんていうか

それだけでも後ろからの視線が…


ま、気にしてはいられない。


「おつかれさま。」


「え…

………もしかして美鈴?」


「そ。朔也に頼まれちゃった~。

これいくらでもいいの?」


「紙だと飛んでくし小銭で。」


ということなので

後ろからは見えないように

ピンクのお財布を取り出して

お金を取り出してから

またこっそりとポケットへしまった。


「高橋のバイオリン、楽しみだな~。」


私はそういって

前におかれたケースに

500円玉をいれた。


それを見て、高橋は私に

深々と頭を下げた。