居場所をください。




「美鈴、夕飯どうする?」


「んー…どうしよ。

私17時に長曽我部さんと約束あるんだ。」


「ふーん、なら食べてくるんだ?」


「………ううん、食べてこない。

そのあと二人で出掛けない?

せっかくの休みだしさ。」


「わかった。

じゃあ支度しとくわ。」


「うん。」


少ししかない食器を洗い終え、

私は身支度を整えた。

気づけば時刻は16時。

なんか、1日がすごくあっという間だ。


「………貴也は、休みの間

なにしてたの?」


身支度を整えた私は

ソファに座る貴也のとなりに座った。


「とくになにも。

舞台が始まるしセリフ覚えたり

ここでぐだぐだしてたり。

あんま出掛けたりはしなかったな。」


「ふーん、そっか。

………私はね、佐藤さんと仕事してたよ。」


「仕事?」


「うん。長曽我部さんには内緒で。

佐藤さんも呆れるくらい、

すっごい悩んだりもしたけどね。」


それでも、貴也の歌が何回も私を励ました。

長曽我部さんの姿が、何回も私を奮い立たせた。

佐藤さんはずっと諦めないでいてくれた。


この数日で、私は何回も感じた。

私にはたくさんの人がいるって。


「………立ち止まってるわけにはいかないよね。」


「はぁ?」