「……でもね、付き合いで
チケット譲ることもあるかもよ?
たとえばお世話になってるファッション誌の
編集部、とか。
そこの専属モデルが頼んでるのか知らないけど
ツアー最終日にも確か何枚か譲ってたし。」
「全部断るように長曽我部さんに言うよ。
その程度で来ないでいただきたい。
こっちも一人でも多くはいれるように努力するから
当選枠を削るようなお願い事はしないでほしい。
仕事関係で来るなら、一番端に作る
立ち見の関係者席で。
それ以外は全部断る。
そんな平等じゃない手段、卑怯だもん。
転売できないように
こっちは対策まで練ってんのに。」
「……わかったよ。
俺もその方がいいしね。」
もしそれで嫌われても別に構わない。
私は、私を応援してくれてる人を
贔屓なんてできない。
「ん、到着。」
「わざわざありがとうございます。」
「いえいえ
マネージャーだしね、俺。
今ドア開けるね。」
どこぞのお嬢様でもないのに
佐藤さんは必ず私にドアを開けさせない。
先に降りて、必ず私のところまで来てくれる。
そういうタレント扱いは本当に上手なんだ。


