「……ってかさ、
佐藤さんって私に冷たくない?」
「え?そうかな?
そんなつもりないんだけどね。」
「だってさ、貴也と扱い違うし
前は咲さんのマネージャーだったわけでしょ?
当たり前だけど咲さんとも扱い違うし
なんていうか超仕事の関係です、みたいな。
別に優しくされたって私は惚れたりしないのに。」
「あはは、それはそれでなんか切ないけど。
まー違いって言うなら
貴也も含めてみんなすごい仕事につまずくし
本当に仕事が嫌になって放棄する人とか
たくさんいるのに、美鈴ちゃんはさ
目標をこっちがたててあげれば
全部自分で何とかするでしょ。
今日も俺が迎え行く前に仕事終えてて。
だからたまに、俺ってなんのためにいんのかなー
って思うことあるんだよね。
美鈴ちゃんのマネージャーになって
もう1年半たつけど、この1年半
美鈴ちゃんのことは長曽我部さんがやってきて
美鈴ちゃんも、俺に頼ることなく仕事こなしてきて。
なんでも自分でやるから
厳しいことも言う必要ないし
っていうか俺が言わなくても長曽我部さんいるし。
美鈴ちゃんはあんまり俺に愚痴ることもないし
なんか距離感がいまいち掴めないんだよね。
ぶっちゃけさ、長曽我部さんに内緒で
今、この曲を作っててさ
俺的にちょっと嬉しかったのね。
美鈴ちゃんって本当に俺になんにも頼んないから。
でも結局美鈴ちゃんを励ましたのは
貴也の歌と長曽我部さんの映像でしょ?
まぁそれも当たり前なんだけどさ
俺的にはもっと頼ってほしいんだよね。
マネージャーってタレントの一番近くで
支えるもんなんだし。
…………っていう本音。」
「…へぇ、そんなこと思ってたんだ。」
「美鈴ちゃんもさ、もっと俺に
わがまま言っていいんだからね。
貴也なんてどんだけ俺に
わがままいってると思ってんの。」
「なんか…佐藤さんには
ずっと壁感じてきたから。
マネージャーになる前から変わらない感じが
なんか言いにくいっていうか……
なんか難しいんだよね。
わがまま言うって難しい。」
亜樹にもおばさんにも
散々わがまま言った数日間だったのに。
やっぱり、まだ私は嫌われるのが怖い。
見捨てられるのが、怖い。


