「……お前はいいよな、やりたいことがあって。」
「そうかな。
亜樹はまだこれから大学にも行くわけだし
まだそこまで考えなくていいじゃん。
子供のうちに子供を堪能した方がいいよ。
大人になっちゃうとさ、終わりが見えない現実が
すっごい嫌になるよ。
22で大学卒業したら60まで働き続けだよ?
ならまださ迷って、楽しんでる方がいいよ。」
私は偽りばかりの世界に入ってしまって
たった数年でたくさんの嘘をついた。
笑いたくもないのに勝手に笑顔になる
そんな仮面を常に装備している。
まだまだ無邪気な笑顔を備えてるみんなには
それを失わずに、
まだまっすぐ歩んでいてほしい。
大人になってしまったら、
もう、子供には戻れない。
だから私も、まだまだ子供でいたい。
ずっと誰かに甘えて、後先考えずに
好き勝手やれたら楽なのにな。
「……さーてと、寝よっかな。」
なにも言わない亜樹より先に
私は立ち上がった。
「おい。どこで寝るんだよ。」
「……ん?」


