居場所をください。



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「あれ、もしかして進んでる?」


出ていってから2時間ほどして

佐藤さんが戻ってきた。


「うん、まぁね。」


そんな佐藤さんに私は

譜面に音符を書き込みながら答えた。


「やっぱり、貴也のCD

持ってきてよかったみたいだね。」


「長曽我部さんの映像もね。」


貴也の"Re:手紙"はピアノとバイオリン

そしてベースの音だけだった。


そっか、ピアノメインでもいいんだ

と気づいたから


私が作った音楽のすべてを

私が奏でられたら


そう思った私にはピアノしかなかった。


ほかの楽器はほとんど触れない。

リコーダーすら、うまくいかない。


本当になにもできなかった私が

唯一できるピアノと歌で……