居場所をください。




聴き終えた私の目からはもう

涙が溢れだしていた。


そして、とどめかのように


『この手紙も、弱虫な君に届きますように』


と、貴也の声が吹き込まれていた。


「……ちゃんと届いたよ。」


…………よし。

MV、ちゃんと見よう。


目を開けると、パソコンは

初期の画面へ戻っていたから

私は"Re:手紙"をもう一度再生した。


そしてまた私の姿から始まったMV。

"Re:手紙"の文字。


その文字が消えたあと、

また紅葉を見に行ったときの映像が

流れていた。


笑顔のまま空を見上げる私

紅葉を見る私

落ちていた葉を手に取り、

ビデオに収める私

観覧車から夜景をみる私

どれもこれもが私の姿で


流れている歌詞が私の胸を刺して

素直すぎる貴也の歌詞が

私の目に涙を流させる。


歌って素晴らしい。

そばにいなくたって、こんなにも

気持ちが届いてくるんだから。


本当に辛かった

貴也がいなくなって

ひとりであの部屋に変えるのが辛くて

戻ってこないかもしれないと知って


……だけど、あの時諦めなかったから

離れていたって、絶対伝わると信じていたから


今、ひとりじゃないんだって

心から思えるんだ。