居場所をください。



「でも知的さも忘れるなよ。

バカみたいなアイドルとは違う雰囲気な。」


「うん、あんなバカみたいのにはならない。」


「恋愛も自由。

彼氏がいても男のファンがつくような

五十嵐美鈴を作り上げろよ。」


「ま、私に恋愛なんて無縁だけど。」


「デビュー曲は美鈴らしく

少し切ない曲にしよう。

親がいないことは今のところ公表しないけど

親のいない寂しさを歌にしろ。」


「はーい。」


「で、明日は8時過ぎには家でるからな。」


「はーい。」


「業務連絡はそんなとこ。

質問は?」


「いつから彼女いないの?」


「は?俺のことはいいよ。」


「気になるじゃん。

こんな良いとこ住んでお金もありそうで

料理もできて仕事もできて。

なんで彼女いないの?」


「っていうか俺離婚してんだよね。

去年。」


「えぇ!?」


「23で結婚したけど俺が仕事人間で去年ついに離婚。」


「そっかぁ…。変なこと聞いてごめんね。」


「別にいいよ。気にしてねーし。」


「少しは気にしなよ。仕事人間か~。

まぁそうだよね。私をここに住まわせるくらいだし。」


「まぁ俺は彼女とか作る気ねーし。」


「それはそれでもったいないね。」