居場所をください。




━━━だけど、

私は全く作業が進まず

あっという間に夕方になってしまった。


「さすがに時間がなくなってきたね…」


佐藤さんの顔にももう笑顔はなくなっていた。


「……ごめんね?こんなのに付き合わせて。」


「ちょっと休憩しようか?

少し頭を休ませたらまたいい音が思い付くかもだし。」


「……うん。」


「俺ちょっと外出てくるね。」


「え、どこか行くの?」


「ご飯の買い出しとかもあるしね。

今日も夜までやるでしょ?」


「そっか…ありがとう。」


私がそういうと

佐藤さんはまた微笑んで、部屋を出ていった。


本当に私には作曲の才能がないんだなと

痛感した気がした。

メロディは悩みながらもできたのにな……