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「………こんないい部屋使っていいの?」
「いいんじゃない?
用意されてたんだし。」
レコード会社につき、
私たちが通された部屋は
グランドピアノと
音を作るための機械がどーんと置いてある
部屋…というよりスタジオ?
こういう部屋で音楽が作られるのかな…
「で、美鈴ちゃんこれ。
パソコンにインストールしといて。
これでいつでもパソコンで音楽作れるから。
パソコンで作った音を
こういう機械で完成させてくんだって。
基本的にメロディだけでも
作曲が美鈴ちゃんになるけど
ここまでやれば編曲も美鈴ちゃんになるから。」
「…いきなりは難しそう…」
「少しずつ覚えていけばいいよ。
水木先生から、美鈴ちゃんはいつも
楽譜を見ながら曲を覚えるって聴いたから
譜面とピアノも用意したけどどうする?」
「ピアノにする。
私、指先は器用な方なの。」
「弾ける?」
「簡単のならね。」
「えーと、じゃあこれが美鈴ちゃんの
音域データね。
赤の部分はかなり調子がいいときらしくて
オレンジ部分で作るのがベストだって。」
「へー、そうなんだ。」
自分のことなのによくわかんないや。
「もう曲のイメージとかはできてる?」
「うん。」
「じゃあとりあえずメロディからね。」


