コンコン━━ガチャ
亜樹の部屋のドアがノックされたかと思えば
すぐにドアが開いた。
「美鈴ちゃん、マネージャーさんが来てるよ?」
「…………長曽我部さんじゃなくて?」
「うん。ひかるくんより若い人。」
「そっか、ありがと。
ちょっと行ってくるね。」
いつまでも掴まれた颯太の手を離し、
私はお店の方へと向かった。
「あ、美鈴ちゃんごめんね。
お休みのところ。」
「ううん、佐藤さんこそ今休みじゃなかったの?」
「まぁそうなんだけどさ。
俺も暇だし、なんか仕事の電話来ちゃって。」
「え、仕事?って私の?長曽我部さんから?」
「うん。と言ってもAプロのじゃなくて
ここの、長曽我部社長から。
美鈴ちゃんがまた新しいこと始めたから
って。
たぶん社長はお知らせのつもりで
俺に連絡してくれたんだけど
まぁ俺も手伝えることがあればと思って。
長曽我部さんからじゃなく社長からってことは
長曽我部さんは知らないのかな。」
「…………まぁ、上がってよ。
おばさん、いい?」
「もちろん。
じゃあ部屋にお茶持ってくね。」
「お願いします。
じゃあ佐藤さんこっち。」
「失礼します。」


