居場所をください。




「ひかるくんはそんなの、望んでないよ。

たとえ美鈴ちゃんが歌手として売れなくても

たとえ美鈴ちゃんが人間不信になっていたとしても

ひかるくんの目の届くところに美鈴ちゃんがいれば

ひかるくんはそれだけで満足なんだと思うよ。

それが無償の愛ってものなんだと思う。」


「…………そっか。

ふふ、なんか話聞いてもらったら

お腹すいちゃった。」


「よし、じゃあご飯食べよ!」


長曽我部さんが歌手じゃない私を

本当に愛してくれているなら………

たとえ歌手じゃなくても

そばにいてもいいのであれば………


私にもう、怖いものなんてない。



「あ、そうだ。

美鈴ちゃんは夜ここの部屋で寝てね。

さっきひかるくんから連絡来たの。

亜樹と一緒の部屋で寝かせるなって。」


「そ、そっか。」


別に亜樹がいてもなんにもないのに。

ばかなのかな。そういうとこ。