居場所をください。




私は亜樹の部屋で一人、

長曽我部さんが集めてくれた資料を抱き

ベッドに横たわっていた。


嬉しいのか、悲しいのか

よくわからないこの感情に

一人でモヤモヤしていた。


私のために時間を割いてくれたこと

私のためにまた時間を使わせてしまったこと

長曽我部さんが気にしてるのは

私の仕事のことだけなのか


私にはわからなかった。


━━コンコン…


「ちょっといい?」


ノックをしたあとにドアを開けたのは

おばさんだった。


「…あ、もうご飯?」


「んー、もうちょっと。

今煮込んでるから。

ちょっとだけ美鈴ちゃんと話そうかなって。

美鈴ちゃん、なんか複雑そうな顔してたから。

泣きそうなのに、笑ってて。

嬉しそうなのに、悲しそうで。

どうしたのかなって。」


「…………おばさんには敵わないなぁ…」


「はは、誰でも気づくよ。

………どうしたの?」


「…………私もよくわかんないの。」


私はベッドに座り直し、

おばさんに話し始めた。