居場所をください。




「昨日やっと過去全員分の売上枚数

調べ終わったみたいで

ひかるのやつ、すごい満足げに

会社を出てったよ。」


「………じゃあ、長曽我部さんの話って…」


これだった、ってこと…?


「美鈴ちゃんに厳しくしてきたけど

ちゃんと結果が出てて

ひかるもほっとしてたよ。

散々うるさくいってきたのに売れなかったら

美鈴は頑張りを無駄に思ってしまうからって。

俺が咲かせてやるって約束したからって。」


「…………そっか。」


嬉しかった。

長曽我部さんがそこまで考えていてくれて。

長曽我部さんが約束を忘れていなかったことに……

私の目から涙が溢れそうだった。


「……へへ、ちょっと亜樹の部屋で

これゆっくり見てくる。」


私がそういったことに

亜樹はなにも言わずに、

部屋へといかせてくれた。