「え…」
一番上にきていた紙には
"上半期総売上ランキング"の文字。
そして一番上には
"一位 五十嵐美鈴"の文字。
その次の紙には
"上半期CD売上ランキング"
その次の紙には
"上半期DLランキング"
全てのランキングの一位には
私の名前がきていた。
「そこまでのは7月には
発表されるんだよ。
だけど最後のは自分で調べないと
わからない結果なんだよ。」
おじさんがそんなことを言うから
私は最後の紙には
まだ多くの名前が載っていて、
その横には恐らく総売上枚数であろう
数字が書かれていた。
そして、またしても私の名前が
一番上に来ていた。
「………これは？」
「それはうちの会社から出した人間が
デビューして１年半で売り上げた枚数。」
「え、え…？」
待ってよ…？
沖野さんの名前も載ってるぞ…？
「…もしかして沖野さんも
ここのレコード会社で…」
「あ、そうだね。
デビューして３年くらいは
うちで作ってたよ。」
「えぇ！？そうなの！？」
「っていうか、注目するところは
そこじゃないんだけどね。
まぁ沖野さんも大事なんだけど。」
そう言われてまた紙に目を向けると
やっぱりこれもランキング形式みたいで…
「……もしかして、私…」
沖野さんより…………
「今までうちからCDを出した
どの人よりも
美鈴ちゃんが一番売れたってこと。
デビューして１年半までの記録だけど。」
「…………沖野さんより？」
「そういうこと。」
笑顔でそんなこと言う社長だけど
私は信じられなくて
その紙を見つめて固まってしまった。
