居場所をください。




「おう、ひかる。」


「よ。」


中にはおじさんがコーヒーを飲んで

朝の一時を過ごしていた。


「ひかる今日から休みなんだってなー。

だから昨日来て資料漁ってったのか。」


「……まぁその努力は報われなかったけど。」


「さてと、俺も行くかなー。」


「社長にしてはお早い出社だな。」


「まぁな。

今日も会議だし。じゃーな。」


おじさんはさっさと読んでた新聞をたたみ、

鞄をもって家を出ていった。


「……美鈴、亜樹の部屋だよな?」


「うん。

まぁとりあえず座りなよ。

コーヒー淹れたしさ。」


「いやでも俺「いいから。」


おばさんの威圧感に負け、

俺はさっきおじさんが座ってた椅子に

俺も座った。


「はい、コーヒー。」


「…ありがとう。」


コーヒーを置くと、

おばさんも俺の前に座った。


「話、聞いたよ。

美鈴ちゃんから。


朝、いきなり来て

彼氏と喧嘩して行くとこないから

しばらく泊めてください!って元気よく来て

いきなり亜樹の部屋に閉じ籠るから

どうしたのかなと思って。


美鈴ちゃんね、昨日襲われたことより

一緒に育ってきた子が覚醒剤をやってたこと

その子に覚醒剤を打たれそうになったことが

一番ショックだったみたい。

だからね、松野貴也くんに腕を掴まれるのが

すっごい怖いんだって。

昨日それで松野くんを突き飛ばしちゃったみたいで

反射的に出る拒絶反応で松野くんを傷つけて

嫌われるのが怖くて、家出したみたい。」


「…………そっか。

そんなことで貴也は嫌ったりしねーのに…」


「本人はだいぶショックみたいよ?

近づかれるのが嫌で自分じゃないみたいで。

同じ部屋にいるのは平気なのにって

辛そうに無理して笑ってたから。」


おばさんの言うことに、

俺はなにも言えなかった。