「あ、美鈴ちゃん電車に乗ったっぽい。」
「…………は?」
「芸能人なんだから
SNSで目撃情報出てるんだよ。」
大和がそういってスマホの画面を見せるから
俺もスマホを取り出した。
その瞬間、俺のスマホがまた鳴った。
"着信 亜樹"
…………亜樹か。めずらし。
「もしもし?」
『あのさー、朝っぱらから美鈴が来てんだけど。』
「は?え、お前んちに?」
『そう。
彼氏と喧嘩して行くとこないから
とかいっていきなり来て
俺のベッド占領して寝てやがるから
今日中に引き取りに来て。まじで。
俺寝るとこなくなる。』
「…わかったからそうキレんなって。
とりあえずこれから行くわ。」
『俺が帰ったときにはいないように頼む。』
亜樹はそういって電話を切った。
「行き先わかったわ。」
ったく、昨日男に襲われたやつが
男のベッドで寝るかよ、普通…


