居場所をください。




え………え?

長曽我部さんが私から外れる…?


「あれ、聞いてない?

もともと30歳までって約束だったんだよ。

35歳くらいにはあいつにこの会社任せたいしな。

俺はグループ会社のトップとして

会長にならなきゃならないし。

ただあいつは下の気持ちもわかりたいから

美鈴のチーフマネを自分からやりたいって言ったけど

経営の仕事も覚えさせなきゃだから

なら今年いっぱいまでって約束で

美鈴のチーフマネにしたんだよ。」


「………最初から決まってたの?」


「聞いてなかったのか?」


「………うん。」


なんだ、そうだったのか。

………長曽我部さん…

俺が咲かせてやるって言ったくせに。

その前に私から離れるのか…


………違うか。

私がなかなか咲かないから悪いのか。


「………長曽我部さんから話あるとは言われてたの。

それだったってことかな。

…じゃあ私いきます。失礼します。」


なんとなく一人になりたくて

私は社長の横を通りすぎて

トレーニングルームを出た。