居場所をください。



━━━━━━━━━━━━━━・・・・


「そろそろ帰るか。」


「だね。暗くなってきた。」


途中の甘味処に寄ったり、

座ったり、写真を撮ったりして

結局私たちはここに二時間もいた。


「にしても似合わねーな。」


「なにが?」


「美鈴が紅葉狩り。」


「いやいやいや

貴也も赤い髪の毛で人の事言えないからね。

なんなら同化してるよ。」


「うるせーよ。」


「髪の毛、染め直すの?」


「あぁ、染めるよ。

さすがにこの色キープすんの大変だし。」


「いつ?」


「まぁ今は色いれたばっかだから、

ハワイ帰ってからかな。

10月末とか。」


「ふーん、そっか。」


「美鈴もいつまでその色してんの?

長曽我部さんは自由にしていいっていってんだろ?」


「そうなんだけどさ。

怖くて。

私は映画の舞台挨拶前にまた

同じ色に染めてくる予定。」


「ふーん、よく飽きないな。」


「もう慣れたよ。」


私もいつか、暗いブラウンとかに

染められる日が来るのかな。