「つーかさ、前にその服で

貴也と喧嘩したんじゃねーの?」


「あー、うん。した。

でも今日はいいの。

このあと貴也と待ち合わせだから。」


「あ、そ。」


貴也が映画の撮影が終わり、

私も今日はこの打ち合わせで最後だから

ここで貴也と待ち合わせ。

特にどこ行くわけでもないけど。


「まぁいいや。

今回は美鈴の作詞も順調だから

すでに仮歌何曲かできたからこれ。

レコは12月からだけど

ライブのこともあるし渡しとく。

バンドメンバーにもダンサーズにも

デモ渡しといたから。」


「あー、はい。

でも練習始まるのは休み明けだよね?」


「だからそれまでに覚えとけってこと。」


「了解しました。」


「あとはー…あー、そうだ。

カウントダウンライブのロゴ。」


「天使の羽ほしい!

なんかチャペルに、天使の羽みたいな。

チャペルほしい。」


「鐘ってこと?それとも十字架?」


「そこらへんはもうディレクターさんお任せ。」


「どんだけ雑なんだよ…

前はもっと考えてきたくせによ。」


「だって忙しいんだもん。

あ、それかに羽根をつけたシルエットとか。」


「十字架でいこう。」


「結局長曽我部さんが決めてんじゃん。」


なんなんだ、全く。