居場所をください。





それからしばらくして

22時過ぎに貴也は帰っていった。


それからというもの

貴也は毎晩私の部屋でご飯を食べた。


「貴也さ、毎晩来てるけど

赤堀さんから誘われないの?」


「誘われても拒否。

俺は噂なんて絶対むり。

だいたい親になんていうんだよ。」


「……………確かに。」


「本気で好きなら別にいいけど

宣伝のために嘘ついてる、なんて言えねーわ。

ただでさえ、俺のテレビのキャラで

あんま印象よくねーのに。」


「そっかぁ…。

でもいつか社長から指示が来そうだよね。

写真とられてこい!って。」


「……………そしたらしかたねーけど

飯行ってる時も仕事として給料くれよって言うわ。」


「はは、それはすごいね。」


「0歳からここの事務所にいるわけだし

そのくらい多目に見てくれないとやってけねーわ。」


「0歳から?」


「オムツのモデルから始まった。」


「へー、すごいね。」