「でもさぁ、手が早い男よりは

よっぽどいいと思うけどね。

私の彼氏も早い方だと思うけどさ

その方が大事にされてるって感じじゃん。

ちゃんと理性を保ててるわけでしょ?

毎日一緒に寝てるなら。

そういう男の方が絶対いいって。」


「まぁねぇ…」


「瞬なんてあの若さで

二人目出来たみたいだし

けっこう手が早いのかも。」


へぇ、二人目出来たのか。


「……どういう意味だよ。」


「わっ!

…びっくりしたー。」


突然後ろに瞬がいて

なんかとっても怖いオーラがまとってる。


「言っとくけど、

俺らはデキ婚でもねーし

中学の頃から付き合ってんだから

俺が手が早いわけでもねーからな。」


「へぇ、中学の頃からなんて

けっこう長いんだね。

じゃあいつ初めてしたの?」


「付き合って3年が過ぎた頃。」


「へぇ、なるほど。

なんでそれまでしなかったの?」


「まぁガキだったってのもあるし

チキンだったってのもあるし

知識がなかったってのもあるし。

でもやっぱ怖いのが一番だなー。」


「何が怖いの?」


「なんか壊しそうとか

止まらなくなりそうとか。

あとは相手が初めてだったのもあって

怖がらせないかなとか。

まぁいろいろ。」


「ふーん…」