居場所をください。




お肉がくるまでは

ひたすらお互いの現状報告。

報告する必要性を感じないんだけどさ。

でも高橋はちゃんと話を聞いてくれるから

なんかいろいろ喋っちゃうんだよね。

聞き上手だと思う。


「で、夏音とは進展あったわけ?」


「なんだ、結局夏音のこと

気になってんじゃん。」


「そういうわけじゃねーけど。」


「進展なんにもないよ。

一緒に映画やる予定だったのが

夏音がおろされたってくらい。」


「おろされた?」


「演技力がなかったってことじゃない?」


「へぇ、そうなんだ。

俺はあいつの演技力すげーと思うのに。

本性なんて全然見えなかったし。」


「それは演技じゃなくて

夏音の一部だったんだよ。


ま、とりあえずそれから全然会ってないから。」


「もうやめればいいのに、ほんと。

美鈴には友達いるんだし

夏音に執着しなくても。

仲良くなれないやつもいるんだよ。」


「まぁそうなんだけどさ。

中学の時、私から簡単に離れてった人がいて

このままじゃ私はその人たちと同類になりそうで。

結局自己満なんだけど。」


でも痛みを知ってる私だから

私にできることがあるのかもしれないから。