居場所をください。




「でも、疲れたらいつでも帰っておいで。」


「………うん、ありがと。

また来るね。」


やっぱり、ここは私の実家だね。

なんだかまた頑張れそうだよ。


「美鈴ちゃーん」


ん?


「あ、優輝。

どうしたの?」


「ばいばい」


それをいいに来たのか。

かわいいやつ。


「ばいばい。

また来るね。」


私は靴を履いて、

優輝に手を振り施設を出た。


なんにもしてない。

それでもなんかスッキリした。

ここにはここにしかない安心感は

あるもんなんだね。


いつでも帰れる場所なんだよね。


「あ、美鈴!」


「うわ、藍子。

どうしたの、そんな走って。」


門を出たらいきなり藍子が

私にダイブしてきたよ。

この熱い中。


「内定もらったー!」


「え、うそ!

やったじゃん!どこ?」


「近くの工場の事務なんだけど

第1希望だったからかなり嬉しくて!

早くママに言いたいよー」


「おめでとう。

早くママにも教えてあげなよ!」


「うん!

美鈴またね!」


藍子はそういって

玄関まで走っていった。


よかったね。

藍子はあとは引っ越し先をこれから

見つけていくだけ。


今年も無事、卒園できそうだね。