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………あれ?
「長曽我部さん…?」
お寺につくとお方さんのお墓で
長曽我部さんが手を合わせていた。
「おう」
「なんで長曽我部さんが?」
「俺が来てたら変なわけ?」
「や、そうじゃないけど…」
「花、供えるんだろ?」
「あ、うん。」
私は長曽我部さんの前に立ち、
お花を供えて水をかけて手を合わせた。
「俺も今日母さんの墓参り行ったんだよ。
そのあと、ここにも来ないとと思って。」
「………そっか。」
「美鈴はなんで今日ここに来たんだ?」
「なんとなくね
お母さんが寂しがってる気がした。」
行かなきゃ、そう思った。
「なんだそれ。」
「なんかわかんないんだけど
そんな気がしたの。」
「俺はてっきり
歌詞に行き詰まってんのなと思ったけど
思い過ごしだったか」
「………。」
鋭い……
「むしろそっちがメインだろ。」
「違うよ。
今日は隼也が邪魔するから…」
「へぇ、なら帰ったら書けるな。
夜送られてくるのを楽しみにしとくわ。」
「長曽我部さんって意地悪だよね。」
「お前が強がるからだろ。」
「全く思い付いてない訳じゃない。
書きたいことはあるんだけど
それがうまく文章にならなくて。」
「文章にしなくてもいいだろ。
歌詞なんだから。
歌いたいことを書けばいい。」
そうなんだけどさ………


