居場所をください。




それからタクシーに乗り、

久しぶりに来たマスターの店。



カランカラン……


「いらっしゃい。」


「相変わらず空いてるね~」


「混んだら困るよー。」


本当にいつも思うけど

そんなんでいいの?マスターさん?


「貴也来てるよ。」


そう言われ、奥を覗くと

一人だけ座ってる。


「貴也!」


「おう。」


「あれ、待ち合わせ?誘ってた?」


「朝美鈴のSNS見て、

隼也に連絡したんだよ。」


「あ、そうだったんだ。

お疲れさま。」


「おう。」


「………美鈴さ、俺と貴也の扱い

違いすぎじゃね?」


「まぁ気にしない気にしない。

はい、座りなよ。

マスター、ハヤシライスねー!」


「はいはい、いつものね。」


「俺はハンバーグね。」


「はいよ。」