居場所をください。




そんなくっだらない話をして、

お昼には帰る私たち。


でもたまにちゃんと座って

シャーペン握るだけでも気分が違う。


「タクシー呼んでくれた?」


「おう、呼んだ。」


「さすが。」


やっぱりちゃんと売れたからか

もう新人いびりみたいのもなくなって

一人でトイレに行ってもなんの問題もない。


デビュー前はほんと面倒だったから。


「あー、腹減った。」


「隼也っていつもそんなこと言ってるよね。」


「いや、美鈴もよくいってるじゃん。」


「え、そうだっけ。」


「とぼけてんなよ。」


「あはは」


「気持ちのこもってねー笑い声。

それよりさ、発売されるベストって

シングルとなんか差はあるわけ?」


「んー、今のところ話はないけどね。

それでも買ってくれるよね?ね?」


「はいはい。

ファン一号だし。」


「さすが。」


「………なんかさ、

俺への扱いひどくない?」


「いやいや、そんなことはないよ。」