居場所をください。




「あ、その長曽我部さんも

なんか最近変みたいで

最近は早く帰るらしい。

お昼も外に出たり。」


「プライベートも充実してるのか。」


「ま、美鈴に手がかからなくなったから

と、俺は思っている。」


「すみませんね、不良品で。」


「だってほんと売れたもんな、美鈴。

最初は事務所の力もちょっとあったけど

ほんっと知名度も上がったし。」


「そりゃ長曽我部さんの目標は

貴也を抜くことだからね。

商業利益。」


「そりゃー、頑張んなきゃだな。」


「でもこの前美容院いったときも

とくに指示がなかったんだよね。

最近長曽我部さん私のところにも来てくれないし

ほんと、時間ができたらって感じ。」


「まぁオーディションの時期だしな。」


「長曽我部さんも審査員に入ってるのか。」


「当たり前。

次期社長なんだから。」


「長曽我部さんがねぇ…」


社長になるなんて

なんか変な感じ。


「でも今の社長はどうなるの?」


「たぶん会長になるんじゃね?

レコード会社とか映画会社とか

レッスン会社とか全部まとめる会長に。」


「へー、なるほどね。」