居場所をください。




「ま、毎年誰かしらは入るからな。

去年はあのアイドルだったし。

もう消えたけど。」


「短い命だったね。」


「美鈴も気を付けろよ?

あっという間に抜かされたら

ほんと情けないからな。」


「私は私なりにいつも全力なんだから

それでだめならそれまででしょ。」


「ま、美鈴には長曽我部さんがいるわけだし

簡単にはつぶれないだろうけどな。」


「私は長曽我部さんのおかげで

生き延びてるって言いたいんですか。」


「あ、いや。」


「ま、その通りだからなんにも言えないんだけど。」


私はまだまだ。

咲かないつぼみのまま前にだけ進んでいる。


「貴也には社長、美鈴には長曽我部さん

いいよな、強力な後ろ楯がいて。」


「隼也はグランプリとってデビューして

真面目に頑張ってるから

そういう後ろ楯が必要ないだけだよ。

私も貴也も頑張ってるんだけど

プライベートが疎かだったりするから

後ろ楯っていうより監視されてる

っていった方があってると思う。

隼也はまともで私たちが不良なだけ。

不良品を輝かせるのは大変だから。」


「そういうやつほど

やりがいがあるってもんだしな。」


「長曽我部さんなんかとくに

仕事人間だしね。」