それから隼也は静かにはなったけど
私にちょっかいを出してくるから
私ももう諦めた。
「あれ、パソコンしまうの?」
「誰かさんが邪魔ばっかりするから。」
「え、誰だろ。」
「隼也でしょうが!」
「だって誘ってきたのは美鈴だろー。
俺を放置すんなよー。」
「はいはい、ごめんね。
隼也は台本とかないの?」
「今日撮る分は覚えてるし。」
「へー、さすがだね。
私も来週撮影なのに
台詞まだ全然だよー。」
「俺も来週の分はまだだけど。」
「いや、でも私台詞めっちゃ少ないんだよね。
それだけは覚えてる。」
「なら覚えろよ。」
「いや、そうなんだけどさ。
もうなんかやることいっぱいで。」
「なら学校来なきゃよかったのに。」
「なんか咲さんが仕事も勉強も頑張ってて
負けてられないじゃん?」
「どこにライバル意識燃やしてんだよ。」
「いいじゃん。」
「でも、うちの事務所にも
新しく歌手で誰か入るみたいだぞ?
来月契約なんだと。うまいやつ。」
「へぇ、そうなんだ。
でもその子はその子、私は私でしょ?」
「それでも比べられるもんなんだよ。
俺と貴也もそうだけど。」
「ふぅん…」


