居場所をください。




この子のちょっとした違和感の

意味に気がついたのは

食事の片付けをしていた頃

3人で仲良く話していたのに

貴也がこちらへ来たときだった。


「なんか手伝う?」


「ううん、大丈夫。

もう終わるしね。」


「美鈴は明日何時?」


「明日はおやすみ~。」


「は?まじで?」


「うん。

だから明日は朝から隼也と学校行ってくるね。」


「また隼也かよ。」


「午前中空きなんだってさ。

お昼食べたら帰らなきゃだけど。

そのあとはお母さんのお墓行って、

施設によって夜は高橋と予定あるの。

あ、そだ。

貴也も早く終わったら一緒にご飯いこうよ。

渋谷だし。」


「いや、いいよ。

二人で食ってこい。

俺いたら話せないこととかあるだろ。」


「ないけど。」


「まぁいいよ。

月1であるもんな。」


「あんま遅くならないように

気を付けまーす。」


「22時な。」


「はいはい。」