「でも美鈴ちゃんって
思ったより落ち着いた子なんだね。」
と、突然そんなことを言った明奈ちゃん。
「最初貴也の彼女が美鈴ちゃんなんて
絶対嘘だと思ったけど
普通の女の子でよかった。
すっごいきつい子かと思ってたよ。」
「あぁ、そういうことかぁ。」
「美鈴は元々デビュー前は
ちょっと知的な感じだったんだよ。
この髪色もビジネスだしな。」
「ふふ、まぁね。
でもこの前髪の毛変えに行ったとき
もう好きにしていいって言われたんだけどね。
結局不安で、ショートからロングにしただけ。」
少し前にショートにしたばっかりなのにね。
ショートに飽きてしまった。
「貴也のお母さんから
美鈴ちゃんは本当にいい子だから
ってずっと聞いてたから。
どんな子か気になったの。
だからほんと安心したよ。」
………安心?
「墓参りはもう行った?」
「あ、ううん。まだ…」
「え、まだなの?」
「行こうとしたけど俺が風邪引いたから
延期したんだよ。」
「貴也が風邪?珍しい。」
………なんだろう、
ちょっとトゲを感じるのは
気のせいかな。


