居場所をください。




「でも、二人は仲直りしてよかったね。」


「まぁ喧嘩ばっかりだけどね、普段から。」


「幼馴染みかぁ。いいね。

今でもこうやって仲いいなんて。」


「美鈴ちゃんはいないの?

幼馴染み。」


「んー……ふふ

まぁいなくはないんだけどね。」


決して仲良くない、

一緒に生きてきたやつが一人だけ。

その存在を思い出したらなんか

笑って誤魔化すことしかできなかった。


………和也は

もうまともになったのかな。

彼女とかできたのかな。

もう女の子を無理矢理……そんなこと

してないといいけどな。


「美鈴?」


「……え?あ、なんでもない。

二人は高校どこなの?」


貴也が顔を覗いてきたから

話を変えてスープを一口。


「原高」


「ぶっ」


思わず吹き出してしまった。


「え?」


和也のことを考えていたら

和也と同じ高校だったから。

ついでに藍子とも。


「ご、ごめん。なんでもない。」


世間って狭い。