それからまた佐藤さんの車で
いつも長曽我部さんと来る美容院に来て、
長曽我部さんのお友だちの美容師さんが
私についてくれた。
「今日はどうするー?」
「今日は…
いつもと同じでいいです。
あ、でもエクステ付けてください。
スーパーロングで。」
「オッケー。
前髪はどうする?」
「気持ち長くして分けたいです。」
「じゃあシールでつけて、切ろっか。」
「お願いします。」
結局私はいつもの色から抜け出せない。
私らしくて、変化がまだ怖い。
「じゃあこちらへ。」
それからシャンプーされ、
いつもの色を重ねて付けた。
「ひかる、忙しいの?」
「そうみたいですね。」
「いつもは夜の時間外なのに
この時間って珍しいよね?」
「最近、夜も忙しいみたいで
あんまり会ってないんです、夜は。」
「へぇ、そうなんだ。
美鈴ちゃんは?忙しい?」
「んー、これからですかね。
今日長曽我部さんからいっぱい仕事来て」
「はは、そっか。
頑張ってね。」
「ありがとうございます。」


