居場所をください。




「ごちそうさまです。」


「残してんじゃん。

まだこのくらいも食べられねーの?」


「それでも食べられるようになってきたし

いいの。

それより話は?」


「あぁ、えーと

とりあえずベストのジャケ写を撮るんだけど

それが10月10日に決まった。」


「まだ先じゃん。」


と、思ったけど

それは私に伝えると言うより

佐藤さんに伝えているようで

佐藤さんもファイルを取り出して書いていた。


時間や場所なども、きっちり伝言。

私はいなくてもいいのでは?


「で、ジャケ写の希望はあるか?美鈴。」


「え?急に言われてもねー…」


「じゃあ考えといて。

来週中にまた聞くから。

なければこっちで勝手に決めるから。」


「はーい。」


「で、あとはー…」


それからも私というより

佐藤さんに伝えることが多くて

私はのんきにグレープフルーツジュースを飲んでいた。


「で、最後に

来年出すアルバムの歌詞

ちゃんと考えとけよ。

発売は3月25日予定だけど、

その曲で来年のツアーの構成を組むから

遅くても11月中には完成させろよ。

15曲な。」


「多い……」


去年は12だったのに…。


「つーことで佐藤

美鈴がサボらねーように

ちゃんと見張っとけよ。」


「はい。」


「じゃ、俺はいくから。

美鈴、早めに頼むぞ。

できれば来月中にできれば

余裕だからな。」


「………頑張ります。」


「じゃな。」